日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

大衆(この場合庶民か?)生活と貴族階級の生活の齟齬の社会問題 ~平均的大衆/庶民生活の理解に苦しむ階級的貴族が持つ社会的地位の責任ある判断とズレ

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大衆(この場合庶民か?)生活と階級的貴族生活 〜あまり平均的な生活を知らない人が決定権を持つ地位に座ることも問題があるかもしれない

大衆から逃れようとマスメディアを遮断してしまうと、むしろアノミーになってしまうのではないか、と少し考えてみました。しかしまた、もし本当に大衆から逃れ得ているとしても問題が出てくるかもしれません。

 

前回のお話

メディアと大衆と統合 〜メディアは見知らぬ人々をまとめあげ、もし拒絶したら孤立する? - 日々是〆〆吟味

 

大衆から逃れた、階級的貴族の生活

たとえばマスメディアの影響下から流れて、古典の読書とクラシック音楽だけで暮らしている人がいるとします。個人でそうした人がいるのは別にいいかもしれません(むしろうらやましい?)。ただちょっと高級な生活のような気もします。お金持ちで時間がたくさんないと中々出来ないかもしれません(そうじゃなかったら非常な努力と忍耐の上になされるのかも。異能の社会学者小室直樹は、政府だか東京都だかの依頼で貧困家庭を調査したら自分よりいい生活してた、と笑ったとか。小室直樹は年収100万円の生活してたらしい)。となると、やな言い方をすればこれは貴族的な生活と言えないこともありません(もちろんオルテガ的な貴族=自らに多くを課す選ばれた少数者の意味ではありません。階級的な意味での貴族です)。

 

【村上篤直『評伝 小室直樹』】 

(小室直樹は相当に奇人だったそうで、アメリカに留学して諸学を修め、日本に帰国してからは東大でこれまた諸学を学び、寮で極貧の中論文執筆の際には断食し病院に担ぎ込まれ、病院こそ我が書斎、と言ったというスゴい人です。これはそんな人の評伝。ただ私は読んでいません)

 

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階級的貴族二世と実利生活

こうした階級的な貴族は、本人は大衆から逃れた優雅な生活を求めてしているかもしれませんが、そんな貴族的な生活をしている人も独身ですますとは限りません。結婚すれば子供も生まれるでしょうし、子供が親と同じ価値観で生きるわけでもありません。となると子供の方は大人になってから実利生活へと入っていくこともあるかと思います。

 

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しかし実利生活というのは基本的に資本主義社会において営利活動をするということですから、今や生産経済ではなく消費経済になった現代では広告によって消費意欲を喚起していかなくてはいけません。それにはどうするか、といえば大多数の人が目にする領域で広告をうつこと、すなわちマスメディアでの宣伝です。マスメディアは基本的に大衆を相手にしますから、この時点で大衆から切り離された育ち方をした階級的貴族二世はハンディキャップがあります(イノベーション型の商品開発なら、大衆やマスメディアから切断されていても大丈夫かも)。

 

消費のための宣伝、広告 〜マスメディアと触れる人々 - 日々是〆〆吟味

広告とイメージ 〜物はあふれてイメージと化した - 日々是〆〆吟味

新しい商品というイノベーション 〜資本主義はずっと延命され続ける? - 日々是〆〆吟味

 

まぁこれは家の教育が世間とあってなかった、という話になるのかもしれません。また逆に学校やマスメディアから引き剥がした家庭的な英才教育というものもありますし、成功している人もいるはずです(失敗した人もいるはずですが、それこそマスメディアでは成功した人を紹介する頻度が圧倒的に多いかと思います。一種の英雄願望を満たしているのかもしれませんね)。偉人の類だとJ.S.ミルは父親から功利主義の英才教育を受けたそうですし、ヴァージニア・ウルフも学校には行かず家での教育で育ったようなことを読んだ覚えがあります。

 

【J.S.ミル『ミル自伝』】 

 

階級的貴族二世と組織の継承と社会的地位

しかし階級的貴族二世と呼べそうな人は、実利生活に入ると時に偉くなることもあります。親の七光みたいな場合もあるでしょうが、親の世代が組織を作っていて、それを引き受ける場合もあります。政治家がそうですね。

 

そして政治家になる人が、あまりに大衆的生活を知らなすぎるというのも、やはり問題な気がします。昔、みんなの党の党首だった渡辺喜美がスキャンダルで辞めてだいぶたった後、週刊誌に小さなインタビューが載っていたことがありました。そこでは政治家をやめてわかったこともある、それは発泡酒の値段に一喜一憂する庶民の感情で、今まで自分で買い物にも行かないから発泡酒の値段も知らなかった、実際に行くとビールとの値段の差に驚いた、というようなことが書かれていたと思います(はっきりとは覚えてない。申し訳ない)。

 

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たしかに政党の党首になるくらいの政治家ですからいそがしいでしょうし、身の回りのことは秘書がやっていてくれないと困ります。また父親は渡辺美智雄で大物政治家ですから、まぁ日本においては階級的貴族とでも言って言えそうな恵まれた生まれかもしれません(人間氏素性は関係ない、っていう考え方はどこ行ったんだろうなぁ)。ですからスーパーで発泡酒がいくらで売られているか知らなくても仕方ないのかもしれませんが、しかしそうした政治家が発泡酒の酒税を決めているので、そりゃ庶民生活からくる値段決定より経済システムの中の帳面で決めてしまうは当たり前な気がしますね(でも私もお酒飲まないからよくわからないけど)。

 

そして別に政治家でなくても組織を受け継ぐ場合は、どうしても生まれのいい人が主導権を持つ地位に登りやすくなります。韓国なんてそれで国民病みたいになっている様子がニュースでよく流れていましたし、いつだったかナポレオンと豊臣秀吉を比べた文章を読んだことがあり、ナポレオンは小貴族であったから最初から家臣がいたから若くして皇帝になれたが、秀吉はそんな生まれではないので老年にようやく天下人になれた、という意見もありました(どこで読んだんだろう…?)。

 

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他にもカドカワでは川上量生はニコ動を作って認められ、いわば実力でカドカワの社長になりましたが(そうだよね?)、先々代(になるのかな?)の社長でもあった角川春樹の孫(いっときTVに出てた)は、成人したら最初から角川春樹の元にある会社で優遇された地位を与えられるでしょう。川上量生はヤンキーに憧れたオタクだった、と自分のことをそう呼んだらしいことを目にした覚えがありますので、マスメディア下の大衆生活の中で生きていたでしょうが、角川春樹のお孫さんは幼稚園の時点で昼間っからフカヒレ食って、お金が余って余ってしょうがない、なんて言ってましたから、多分そんなマスメディアに左右されるような生活はしないような気がします(とはいえその時点で幼稚園児なんですから、先行きはわかりません。しかしすごい発言と生活だな…)。

 

まぁ、オルテガに言わせれば今階級的貴族なんて呼んだ人たちはきっと大衆の典型とでもなるでしょうから、一見大衆(というより庶民か? もしくは大衆生活?)から逃れているように見えても人間類型としては大衆そのままなのであまり意味のない対比なのかもしれません。

 

【オルテガ『大衆の反逆』】 

(大衆がどのような存在なのか、徹底的に批判して述べられています。読んでてちょっと陰気になりそうです)

 

これと似たようなことは思想の面でもある、ということを昔吉本隆明が書いたことがあるのですが、ちょっと長くなりましたので今回はこの辺にしたいと思います。なんだか今回は大衆の扱い方が庶民とごっちゃになってしまった面がありましたね。失敗失敗。

 

次回のお話

大衆(生活者?)とかけ離れた思想 〜頭でっかちでは困ります、ってことでしょうか。 - 日々是〆〆吟味

 

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お話その176(No.0176)