日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

宗教における理想社会の過去志向(仏教・イスラーム・儒教)と未来志向(キリスト教) 〜開祖が直接教え治める過去の時代と、復活して死後に期待を寄せる理想社会

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前回の内容

保守と左翼の違いと類似点 〜歴史への志向性と社会への批判 - 日々是〆〆吟味

 

宗教における過去志向と未来志向 〜仏教・イスラーム・儒教、キリスト教

社会批判と過去志向・未来志向

保守と左翼が現状の社会への批判といった点では一致するのに、そのための観点が過去が未来かで変わってくる、なんてお話をしてみました。けどこれって保守とか左翼だけの考え方なんでしょうか。結構どこでも同じような考え方をしてそうですよね。だっていつがよかったかなんて、過去か未来しかない気がします。

 

年齢における過去志向と未来志向

これを年齢で考えてみますと、若い間は過去が少ないから未来志向になり、年寄りになると未来が少なくて(というかそう感じるようになり)昔に体験したことの方が多くなるから過去志向になる、ということなのかもしれません。そういえば全共闘後に、学生運動に参加するのは若者が麻疹にかかるようなものだ、なんて言い方を見た覚えもあります。つまり若い人は未来社会を求めて理想化し左翼になるわけですね。一方同じく全共闘後に、参加していた人たちが案の定保守化していった、ということも目にした覚えがあります。年取ったせいなのかもしれません。

 

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そういえば保守化した態度として若い頃自分がやらされたことをそのままやらせたがるってことがあるかもしれませんね。この点保守は合理的でなくただ踏襲的です。もっといい方法があっても自分たちの経験を特権化して押しつけちゃうんですから。これは若者から嫌われてもおかしくないかもしれませんね。

 

宗教における過去志向や未来志向

年齢だけでなく、社会への考え方という点でも過去志向と未来志向ってあるかもしれません。たとえば宗教ではどう考えるでしょうか。宗教もまたいい世の中というものをどこかで考えていると思えますものね。

 

過去志向の宗教 〜仏教、イスラーム、または儒教

そう思って考えてみますと、過去志向の宗教としては仏教やイスラームなどがそうかもしれません。というのも、1番よかった社会は、といえば、お釈迦さまやムハンマドが直接教えをたれたり統治していた時代だからだ、ということになるそうだからです。

 

これはわかりやすい考えですよね。だって仏教でもイスラームでも開祖である最初に教えを広めた当人がいる時代が、1番いいに決まっているからです。お釈迦さまでもムハンマドでも人間ですから死んでしまいますが、その後は生きている間の教えを伝えられて守っていくことになるので、どうしても間接的です。それに比べればお釈迦さまでもムハンマドでも直接聞いて教えてもらえる世の中の方が理想的であるのは当然の話です。納得いく気がしますね。

 

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これとちょっと違いますが儒教でも『論語』を読んでいますと孔子が昔の教えを守れ、今の世の中はそれを守らないから悪いんだ、なんて言っていて、こちらも過去志向な気がします。むしろ現代の保守親父みたいな人はこっちの態度の方が近いのかもしれません。でもそうした人も今は昔かもしれませんね。世代が広がってしまいましたから。

 

未来志向の宗教 〜キリスト教

では未来志向の宗教は、となるとキリスト教のような気がします。イエスはお釈迦さまやムハンマドのように長生きしませんでした。30歳そこそこで殺されてしまいますので、仏教やイスラームのように開祖直接統治時代なんて起こりえなかったわけですね。ですからキリスト教では最後の審判の後にキリストが蘇って千年王国を作る、という未来志向の理想社会を描くような気がします。案外イエスを神の子としたのも、未来社会と関わってくるのかもしれませんね。

 

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それだけでなくキリスト教は弾圧された宗教でした。元々ユダヤ教の中から出てきましたし、当時のローマ帝国内では怪しい新興宗教です。ローマにはローマの宗教がありますから、それを脅かす新興勢力ですね。そのため徹底した弾圧を受けたそうですが、ユダヤ教と違ってキリスト教は最後には勝ちました。ローマの国教となり今日まで西欧的社会の母体です。ローマは滅びましたがキリスト教は滅びませんでした。大変元気です。

 

しかしこの弾圧の経験がキリスト教の中に黙示録という想像力を生みました。それが最後の審判によって世界は滅び、キリストによる新たな千年王国が現れる、という考え方(むしろ妄想?)です。これはユダヤ教が全戦全敗の敗北者であったから唯一神なんてものを考え出したのと同じように、現実の政治社会(ローマ帝国)に絶対勝てないから今自分たちを弾圧している社会の後に自分たちの社会を理想像として持ってきたわけですね。仏教やイスラームとはかなり違う発想です。ですがキリスト教はこの思想で実際に現実社会に勝ってしまいました。馬鹿には出来ませんね。

 

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案外普遍的に思える過去志向と未来志向

こうして考えてみますと、保守とか左翼といいつつも、そこに内包されている理想社会への過去志向や未来志向という想像力は古代の昔からあるのかもしれません。もしかしたらこうした考え方は理想社会への普遍的な想像力で、その現代版が保守や左翼なのかもしれませんね。そう捉えてみると、今日もまた私たちは人間の営みを飽きもせずに続けているだけなのかもしれません。

 

次回のお話

思想の違いと相手への理解 〜一流は立場の異なる一流も受け入れる、かな - 日々是〆〆吟味

 

気になったら読んで欲しい本

ベック『仏教』 

う〜ん、仏教の説明ってどれがいいんでしょう。あまりよく知らないので、読んだ覚えのあるこの本を載せておくことにします。でも内容忘れちゃった。

小杉泰『イスラームとは何か』 

私が読んで大変面白かったイスラームの解説書です。書き方が面白く書かれていると思うので、とりあえず興味を持つには最適のような気がします。

 

『論語』 

『論語』はそのまま読んでも面白いんじゃないでしょうか。適当にページ開いて読んで、嫌になっちゃえば閉じてしまえばいいですしね。ひとつひとつが短いので気軽に読める古典ですね。

『聖書』 

新約聖書の最後の方に黙示録があります。これが案外キリスト教の持つ未来志向の考え方なのかもしれませんね。後々形を変えて影響しているのかもしれません。

 

次回の内容

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お話その144(No.0144)