日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

デカルトによる認識の転換 〜神から人間へ

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デカルトといえば『方法序説』なのですが、この『方法序説』の冒頭には面白いことが書いてあります。曰く、良識は万人に与えられている。この良識とはなんじゃらほい、と注を見てみますと、理性と同じ、と書いてあります。では理性とはなんぞや、といいますと、普通本能に対してそれを抑えるもの、と理解されているかもしれませんが、実は違っていて、理性とは西洋哲学の文脈の中では自分で考える能力のことを指します(簡単に説明すればですけどね。詳しくはいい辞書載せておきますからそちらをご覧ください)。

 

ではなぜデカルトは自分で考える能力のことを万人に与えられている、と考えたのでしょうか。これが中世と近代の認識論の決定的な違いとなります(多分)。中世においては、人間の認識能力というものは神から与えられていました。そのためAさんとBさんでは思考能力が違ってもおかしくありませんでした(これも多分)。Aさんは神に選ばれて特別思考能力があり、Bさんは残念ながら神に愛されずアホでした、ということが成り立ちました。AさんとBさんではそもそもの時点で頭の良さ(思考能力)が違ってもよかったのですね。それは神さまの配分のせいであって、個々人の問題ではなかったのです。

しかしデカルトはその考え方を否定しました。いやいや、人間が持つ考える能力は誰でも持っているんじゃないか、アホとかしこがいるのは頭の良し悪しじゃなくって、頭の使い方の上手下手ではないのか。そしてもし個々人によって考える能力が違うのであれば、数学の問題を一から丁寧に教えれば誰でも理解できるのはおかしい、みな考えることが出来ている、ならばその問題に習熟しているかどうかが考える能力の違いとなるはずだ。と、まぁ、こんな感じてしょうかね(ちゃんとした説明はデカルト先生直々から教わってくださいね)。

 

つまりここでは認識の根拠が神から人間へと移っているわけですね。そして人間を軸にして物事を理解したり認識したりすることが出来るようになりました。ここから人間を中心とした考え方が生まれてくることになるのでした。

 

では何故デカルトはそんな風に考えたのでしょうか。このあたりにデュルケームの考え方とかち合う点が出てきそうに思うのですが、また長くなってしまったので次回にしたいと思います。中々先に進みませんね。

 

次の日の内容

自我の発見と個別化される人間 〜デカルトの疑問と共に - 日々是〆〆吟味

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社会からの認識の問題と、それに対する自我 〜まずはデカルト - 日々是〆〆吟味

気になったら読んで欲しい本
方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)

 

デカルトの本。私はこの版でよんだと思います。

竹田青嗣という、とてもわかりやすくて面白い哲学の解説書をたくさん書いてくれている人がいるのですが、その竹田青嗣によればデカルトは普通の人が読んでも唯一理解できると思われる哲学書、とのことです。そのため哲学にもし興味を持たれた方がいらっしゃいましたらこの本を読むのがいいかもしれません。ただそう思って人に勧めたら難しいと言われたことがあります。でも間違いなくカントやヘーゲルよりかは理解しやすいはずです(いや、カントやヘーゲルが難しすぎるだけかもしれませんが)。

一応読みやすいと思われる理由の一つに、デカルトが何故このような考えをもたなければならなかったか、という自分の背景から説明している点が挙げられるかと思います。そのためある種の自伝のような趣があり、哲学の内容とは別に読みすすめることが可能なはずだからです。

新版 哲学・論理用語辞典

新版 哲学・論理用語辞典

 

哲学の言葉について、おそらくもっともわかりやすく説明してくれている辞典。評論家の呉智英という人がいるのですが、この人が太鼓判を押して非常に勧めていた本です。そして実際、この辞典以外では哲学用語の説明もまずわかりません。大概専門家の手による専門家のための辞典なので、門外漢には読んでもわからない説明が多いからです。しかし本書は高校生でもわかることを目的にし書かれています。そしてちゃんとわかる気がしますし、浅い内容ではなくそのまま哲学書の横にもおいておける辞書だと思います。

編集は思想の科学ですが、戦後の進歩派が近代社会の根底となる考えを学べるように一生懸命に環境を整えていたことは忘れるべきではないと思います。こうした側面を忘れて戦後まで忘却してしまえば、やはり戦後に日本が成長した重要な草の根の教育の面まで忘れてしまいかねませんからね。

 

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