日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

日本の偉さと原理原則 〜自己把握と基準による次の一手へ

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そんなわけで私が日本の文化について書いていることは、加藤周一たちの述べていることを質を下げて水を薄めてお話ししているだけに過ぎないのですが、出来ればちゃんとそれぞれの本を目にしてくれたらなぁ、と、僭越ながら望んでいたりします。私の目的はそうした本を読んでもらえるような誘い水になれれば、ということなのですが、それは読んだ方々の決めることですからなんともしようがありませんね。そもそも誘い出せるほど魅力的なことが書けているかもわかりませんしね。

 

ともかく、こうした日本とはなんぞや、という問いかけは結構切実なものとしてあったと思います。いえ、きっと今でもそうではないでしょうか。昔は追う者として大国を前に自らを問うていたものが、今は自らが大国になったものの追い落とされる者として再度問い直さなければ地盤が崩される、という不安によって日本を捉え直そうとしているのかもしれません。どちらにせよ案外動機は同じで、自らの立場に対する不安と恐怖からくるものでしょうか。それ自体はとても真摯な問いだと思います。

 

そこで、僭越ついでにもし今の日本賛美に問題があるとするならばどこにあるのか少し考えてみましょうか。

日本は優れている、というのは別に構わない気がします。日本が非ヨーロッパ圏で唯一自力で近代化を成し遂げたことは間違いないですし、戦後もアメリカの支配と援助のもととはいえ一時は世界一の経済大国になれたことも事実です。アメリカの支援を受けたからって必ず世界一になれるとは限りませんからね。まぁ日本は何事においても世界一、というと問題があるでしょうが、近代史の中でそれなりに成し遂げたことはあるぞ、と言うことは出来ないこともないかと思います。

しかし、じゃあどこが日本は偉かったのか、となると難しい問題かもしれません。たとえば前回まで紹介したみたいに三島由紀夫や加藤周一がその理由を探ってその説明をしたとします。その上で日本の偉いところはここだ、と定め、その点を原理として発展させていけば、混迷の中であっても次に目指す地点が見えてきそうです。ですが日本は偉い、海外でも評価されている、アニメや漫画も喜んで見てくれる、日本文化だ、というだけでは、周りの人々が褒めてくれているから偉いというだけになってしまって、自らの利点がどこにあるのかが不明瞭なままになってしまいます。その状態ですと、危機を脱するための選択を選ぶ基準がわからなくなってしまいます。周りが褒めてくれるから、上手くいったから、という理由でもう一度上手くいくことは困難なことではないでしょうか。たとえば一発屋芸人は確かに爆発的に売れますが、二度目はまずない話です。しかし売れ続けている人はさんまでもダウンタウンでも自分のやっていることを自分なりに正確に把握し、自らの基準に従って今やることを決めているでしょう。有吉弘行は猿岩石時代に今の一発屋以上に売れたかと思いますが、復活してその活躍は周知の通りです。しかし今の有吉がかつてのようにTV局の企画によって売れっ子に舞い戻ったわけではありません。実力で復帰したのであり、それは有吉流の自己把握や基準を持って芸を磨いてきたからだと思います。

こうして考えてみますと、日本は確かに偉い、偉かった、しかしその偉さの理由を把握し自らの基準として捉え直すことがなければ、ただ単に日本は偉いと言っているだけでは、国際社会の一発屋になってしまう可能性だってあるのです。一発屋芸人ならぬ一発屋国家です。というのも、かつて栄光を持ちながら輝きを失ってしまい歴史に埋没した国は確かにあるわけです。福沢諭吉たちが最初に読んだオランダ、他にもポルトガルやイタリアにスペインなどは今のヨーロッパ近代国家の中では当時の面影などありません。しかしこれらの国は戦前のイギリスやフランス、ドイツのような大国で、むしろヨーロッパの主要国だった時代もあったのです。それが失われてから、少なくとも今日までは同じ地位に返り咲いてはいません。

ですから日本が偉い、優れている、というのはいいと思うのですが、それを自らの原理原則として確立し困難に挑めるように洗練させて、その上で自らの偉さとみなせなければいけないのだと思います。おそらく日本が好きという人も、一発屋としての日本を好きになるよりも大物としての日本を好きになる方がいいでしょう。そのためには、今、日本を好きな理由を探すより、これから、日本を好きになれるような理由を、根底から探っていけばいいのにな、と思います。

 

なんだか辛気臭い話になってしまいました。

僭越で申し訳ありませんでした。

 

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