日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

難解な内容が難しいわけ 〜伝達内容の仕組み

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伝えられる情報は同じはずなのに、伝えられた方では違いが出てくる。伝言ゲームのように意図した障害はないはずなのに、どういうわけかズレは生じていく。

 

これが不思議なことでした。

 

その理由として考えられるのは、まず伝えるべき内容がそもそも難しい、という場合です。

マルクスの場合で考えてみましょう。

マルクスの考えは当然20世紀最大級の思想だといえます。それが難しいということは当たり前のことかもしれません。ですからそんな考えを誰かに伝えようとしても、元々の考えのままに伝えること自体困難なことである、ともいえないこともないでしょう。

マルクスの考えをMAとした場合、一見マルクス主義者M'にAを伝えるだけのように思えます。Aがマルクスの考えであって、それをMからM'へと伝えるわけです。単純にMA→M'Aとなるわけですね。

しかしマルクスの考えは難しいわけです。これはとりあえず認めてしまいましょう。となるとマルクスの考えはMAというだけでなくMA(123456789…)と、Aの中に無数の含まれるべき要素があると捉えることもできます。そうするとマルクス主義者はMA→M'Aというだけですまなくなってしまきます。学ぶべき内容はMA(123456789…)→M'A(123456789…)となってしまうわけで、途端に量が増えます。そうなると当然受け取る側で取り損ないや誤解、ズレといったものが出てくることになります。

 

またそれだけでなく(123456789…)は、どれほどの密度と広がりを持っているのか計り知れないかもしれません。(…)の終着点が1000で終わるのか1000000で終わるのか、実はマルクスの考えを徹底的に検証してみないと判断できないとします。すると受け取る側はAを1〜1000とするのか1〜1000000とするのかでまったく理解が変わってきてしまう可能性があります。M'1はAの内容を1000と考え、M'2は1000000と捉えた場合、M'2はM'1を浅薄と見てM'1はM'2を不必要な瑣末主義と見るかもしれません。そして元となるMにとってはどちらも自分と違うように見える危険性も捨てきれません。

 

さらにマルクスの場合ですと影響も広範囲な分著作も膨大です。なんでもマルクス=エンゲルス全集は全53巻。4万ページにわたるそうです。このようなもの読み通すだけでも大変で、そもそもどれだけの人が読み通せるでしょうか。そして読み通した人のどれだけが過不足なく間違いもせずに全ての内容を受け取ることができるでしょうか。

この場合MAのAの内容はA(全53巻/4万頁)ということになります。これを単純にMA→M'Aとしても伝えきれるものではなくなってきます。図式は同じMA→M'AなのですがMA(全53巻/4万頁)→M'A(全53巻/4万頁)となればちっとも単純な問題にはなってくれません。むしろ途方もない問題です。

 

こうなってくるとA(123456789…)と同じくAの中身の大変さがわかってきます。しかもA(123456789…)とA(全53巻/4万頁)は似た問題ですがまったく同じというわけではありません。理解しなければならない密度と広がりと、本の物理的な分量の問題ですから、この2つの問題は重複しかねないのです。つまり123456789…と無数の伸縮ある理解の仕方が全53巻/4万頁において可能になるわけです。

 

これが難しい内容を伝える時、どのように難しくなってしまうのか、ということになります。ちょっとまとめてみましょう。

 

1.伝えるべき内容はそもそも単純ではない

   MA→M'A ではなく

   MA(123456789…)→M'A(123456789…)である

2.伝えるべき内容の密度と広がりは検証してみないとわからない

   MA(123456789…)は

   MA(1〜1000)かもしれないし

   MA(1〜1000000)かもしれない

3.伝えるべき内容となる著作の量が多い

   MA(全53巻/4万頁)であり

   MA→M'Aは全53巻/4万頁を伝えなければならない

4.2と3の問題は重複しうる

   全53巻/4万頁において

   123456789…と理解を可能とする

 

とりあえずこのように考えてみましょうか。

こうして考えると難しい内容がなぜ難しくなるのかが少しわかってきた気もしますね。ですが難しい内容の場合だけでなくても、やっぱり上手く伝えられないということもありえそうです。

他にもどのように伝えることが上手くいかないのかを、また考えていきましょう。

 

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