日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

批評

共存共栄の雑種文化としての日本 〜加藤周一の日本文化の理解

日本に西洋哲学的な思想体系が存在しないということは、昔の知識人の間では当たり前の認識だったようです。保守思想の代表格である三島由紀夫でもそれを認めていたのですから、なにも今風に反日というわけにはいきません。と同時に左派でも同じ認識を有して…

難民アニメとしての『ザンボット3』 〜型の踏襲と現実からの批判

デビュー作の『海のトリトン』は手塚治虫原作の海洋冒険ものでした(昨日ご指摘がありましたので、私の勘違いでそう思っている可能性もあります)。まだロボットものではなかったのです。しかしいきなり『ガンダム』が始まるわけではありません。その前にもロ…

世の中に役立つことと専制 〜ロシア•フォルマリズムの背景として

マルクス主義についての説明にかかりすぎてしまいましたが、当時のソ連が政治的にだけでなく文化的にも専制的だったということを理解していただければ幸いです。ロシア•フォルマリストが活躍しなければならなかった背景にはこのような事情があったのです。 …

見解の統一とマルクス主義 〜土台の上に文化はのってる?

作品の統一的見解がなぜ可能なのか。 簡単に言えばそう強制されればいいのでした。 学校で行われる国語の授業などではそうですね。例題となる文章を前にして、作者がこの時どう思ったか答えなさい、こんな感じですね。なんでもどなたか作者がこれをやってみ…

読み方の対立と統一的見解 〜文学を科学に、ですかね?

プロップからバルト、ジュネットへと至る小説(プロップは昔話ですが)の構造分析は、それまでにも前史がありました。ちょっとおまけでそのお話もしておきましょうね。 プロップはロシア人です。ロシア人ですから、当然ロシア人同士の間で学会が存在します。そ…

物語の構造的な分析の系譜 〜プロップ、バルト、ジュネットを参考にしてみよう!

プロップは民話、つまり昔話を扱って物語はパターン(構造)だ、と考えたのですが、ロラン•バルトはそれを小説でやろうとしました。そこでバルトは同じフランス人作家のバルザックの『サラジーヌ』という短編を用いて徹底的に分析しました。プロップは機能を31…

エッセイと小説・論述 〜エッセイは私が主人公の小説だ(ちょっとちゃうやろ…) (付:モンテーニュ『エセー』/パスカル『パンセ』)

ついでに小説とエッセイの違いについても少し考えてみましょうか。 小説と論述の違いは、世界に対する理解の仕方の違いだ、ととりあえず考えてみました。草原を前にしてその光景を描写するのが小説ならば、その植物相や風土を記述・分析するのが論述だ、とい…

創作と論述 〜周りの世界に対する表現の仕方が違うのだ。これでいいのだ。

創作は描写が入りますが、他の文芸ジャンルではまずありません。小説はレッシングによると時間的芸術で、小説の言葉は前から後、前から後、というふうに続いていきます。この関係が時間と同じなので小説は時間的芸術となるのかもしれません。 ではエッセイや…

言葉のジャンルの違い 〜小説、エッセイ、評論、論文…どこがどう違うんだろうか…(付 :小谷野敦『評論家入門』/マルサス『人口論』)

さて、別段小説の話がしたかったわけではないのですが、言葉がなにを表すのか、という問題からややこしく迷い込んでしまいました。 とりあえず小説が時間的芸術で言葉もまた前から後、前から後、と時間と同じように進んでいくということだけ今日はわかったこ…

言葉と時間 〜レッシングを参考にしてみよう!(付:レッシング『ラオコーン』/バルザック『ゴリオ爺さん』『従姉妹ベット』)

言葉が直線的ということは、言い換えると時間的に言葉は現われてくる、ということですね。 これは何も私の考えではありません。昔のドイツでレッシングという人が絵画と小説を比べて、互いにどう違う芸術であるかを述べた『ラオコーン』という有名な評論があ…

他者性の喪失 〜セクハラの場合(付:セジウィック『男同士の絆』)

このような他者という問題を踏まえますと、どうしてコミュニケーションが難しいのかがよくわかります。端的に言えば、お互いの規則が違うからです。相手にこう言えば伝わるだろうということが、相手側には伝わらないわけです。 もう少し例を考えてみましょう…

他者という問題 〜日本人とアメリカ人が謝ったとしたら(付:柄谷行人『探究』)

コミュニケーションがいかにして可能となるか、を考えようとしましたが、その前に1つ考えておかなければならない問題がありました。 それが他者という問題です。 これはコミュニケーションが可能かという前に、なぜコミュニケーションが成り立たないか、と…