日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

小説

戦争への文学的抵抗•日本版 〜関係ないこと書くだけでも抵抗だったのだ。これでいいのだ。

文化と専制的な政治状況をソ連を例にして書いてみましたが、日本でも戦時中は同じようなことがありました。戦争に協力しない創作は非国民と非難されたのです。 これが厄介なのは、なにも上から言われただけでもないということです。そうではなく、文学者自ら…

世の中に役立つことと専制 〜ロシア•フォルマリズムの背景として

マルクス主義についての説明にかかりすぎてしまいましたが、当時のソ連が政治的にだけでなく文化的にも専制的だったということを理解していただければ幸いです。ロシア•フォルマリストが活躍しなければならなかった背景にはこのような事情があったのです。 …

物語の構造的な分析の系譜 〜プロップ、バルト、ジュネットを参考にしてみよう!

プロップは民話、つまり昔話を扱って物語はパターン(構造)だ、と考えたのですが、ロラン•バルトはそれを小説でやろうとしました。そこでバルトは同じフランス人作家のバルザックの『サラジーヌ』という短編を用いて徹底的に分析しました。プロップは機能を31…

人文科学の数学(構造主義)化 〜物語はパターン?(付:『わたしの知的生産の技術』/プロップ『昔話の形態学』/橋爪大三郎『はじめての構造主義』)

ニュートンの業績によって物理学が数学化され、数学の力が圧倒的であると知ったヨーロッパ型学問はすべてを数学化しようとしました。それが自然科学ではとてもうまくいったのですが、残念ながら人間や社会に当てはめようとしたら少し問題が出てきたのです。…

エッセイと小説・論述 〜エッセイは私が主人公の小説だ(ちょっとちゃうやろ…) (付:モンテーニュ『エセー』/パスカル『パンセ』)

ついでに小説とエッセイの違いについても少し考えてみましょうか。 小説と論述の違いは、世界に対する理解の仕方の違いだ、ととりあえず考えてみました。草原を前にしてその光景を描写するのが小説ならば、その植物相や風土を記述・分析するのが論述だ、とい…

創作と論述 〜周りの世界に対する表現の仕方が違うのだ。これでいいのだ。

創作は描写が入りますが、他の文芸ジャンルではまずありません。小説はレッシングによると時間的芸術で、小説の言葉は前から後、前から後、というふうに続いていきます。この関係が時間と同じなので小説は時間的芸術となるのかもしれません。 ではエッセイや…

言葉のジャンルの違い 〜小説、エッセイ、評論、論文…どこがどう違うんだろうか…(付 :小谷野敦『評論家入門』/マルサス『人口論』)

さて、別段小説の話がしたかったわけではないのですが、言葉がなにを表すのか、という問題からややこしく迷い込んでしまいました。 とりあえず小説が時間的芸術で言葉もまた前から後、前から後、と時間と同じように進んでいくということだけ今日はわかったこ…

言葉と視覚的世界 〜目に見えるものを言葉にすると世界は分断され置き換えられる?(付:バルザック『ゴリオ爺さん』/山口昌男『山口昌男コレクション』『山口昌男ラビリンス』)

言葉が対象と恣意的に結びついている、という関係を記号と呼びます。これ僕の、と名前を書いておくような姿を思い浮かべてもらえばいいかもしれません。名前というものがサインや印と一緒の働きをして、そうしたサインや印のことを記号と呼ぶわけですね。物…

言葉と時間 〜レッシングを参考にしてみよう!(付:レッシング『ラオコーン』/バルザック『ゴリオ爺さん』『従姉妹ベット』)

言葉が直線的ということは、言い換えると時間的に言葉は現われてくる、ということですね。 これは何も私の考えではありません。昔のドイツでレッシングという人が絵画と小説を比べて、互いにどう違う芸術であるかを述べた『ラオコーン』という有名な評論があ…